【現地レポート】再建予定地の現在の様子(2025年8月時点)
正岡子規と夏目漱石ゆかりの「愚陀仏庵(ぐだぶつあん)」。2010年の豪雨災害で全壊してから十数年、ついに再建工事が始まったので工事の進捗をレポートします!

実際に、再建予定地である「番町小学校プール跡地」へ行ってきました。現在は、愚陀仏庵本体の建設に先立ち、既存のプールの解体工事が進められている最中です。重機が入り、本格的な工事が始まっていることがわかります。
そもそも愚陀仏庵とは?なぜ再建されるのか
ここで、現地の工事写真を見ながら愚陀仏庵の歴史と再建の経緯を簡単にご紹介します。
正岡子規と夏目漱石が52日間暮らした文学の舞台

愚陀仏庵は、もともと松山藩士・上野義方(うえのよしかた)の離れでした。1895年(明治28年)、当時松山中学校の英語教師として赴任してきた夏目漱石が下宿し、そこに療養のため帰郷した親友の正岡子規が同居。二人が共に過ごした52日間は、日本の近代文学史において非常に重要な期間とされています。
2010年の豪雨で全壊、記念の節目に再建へ

愚陀仏庵は、松山城の城山(萬翠荘の裏手)に復元されていましたが、2010年7月12日の記録的な豪雨による土砂崩れで全壊してしまいました。
その後、市民や文学ファンから再建を望む声が上がり続け、ついに記念すべき節目に合わせて再建が決定しました。
- 令和7年度(2025年度): 子規・漱石の共同生活130周年
- 令和8年度(2026年度): 小説『坊っちやん』発表120周年
再建後のイメージは?展示やイベントができる複合施設に!
完成イメージ

松山市が公開した完成イメージ図です。建物は木造2階建て(約64平方メートル)で、子規と漱石が暮らした当時の趣を可能な限り再現するとのこと。
さらに隣には、展示や多目的スペースを備えた「母屋ガイダンス棟」も建設されます。こちらでは、漱石と子規に関する資料展示のほか、講座や研修会なども開催できるようです。
フロアマップ

愚陀仏庵と母屋ガイダンス棟は渡り廊下で繋がり、一体的に利用できます。また、中庭はイベントスペースとしても活用でき、様々な催しが開かれることになりそうです。
まとめ
2010年の土砂崩れによる全壊から約16年の時を経て、ついに再建される愚陀仏庵。正岡子規と夏目漱石が過ごした歴史的な空間が、新たな魅力も加わって松山の中心部に帰ってきます。「俳都松山」の新しいシンボルとして、多くの人で賑わうのが今から楽しみですね!
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「愚陀佛庵 再建整備工事」基本情報
愚陀佛庵 再建整備工事
住所 | 〒790-0002 愛媛県松山市二番町4丁目6-1 |
再建場所 | 松山市立番町小学校 プール跡地 |
規模 | 木造2階建て2棟(愚陀仏庵、母屋ガイダンス棟) |
完成予定 | 2026年 夏 |
アクセス | 伊予鉄 市内電車「県庁前駅」から徒歩3分 |
HP・SNS | 愚陀仏庵 公式サイト |
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